
今年は、ベートーベン生誕250年の年であることをご存知の方はどれだけいるだろうか。COVID-19の影響で殆どのイベントが中止になっており、実に寂しい限りである。細々と、CDなどの各種全集の発売、本・雑誌の特集が行われている。
5月のことであるが本屋に行った時に目についた、「レコード芸術6月号」と吉田秀和著の「ベートーベン」を購入した。こういう機会に少し勉強してみようと考えた次第である。
実は、最初に雑誌の棚のレコ芸の特集記事が目についたのであるが、雑誌に重なるようにしてこの文庫本は入っていた。書店員の粋な計らいであろう。というのは、古くからある駅前のこの本屋は、文庫本は別の階に並んでいるからであり、客がわざわざ持ってきたとは思えないからである。店員の思惑通りつい一緒に買ってしまう私であった。
雑誌記事は新規に書き下ろしたものであるが、吉田秀和氏の文庫本は20年4月初版本ではあるものの、氏の過去の膨大な記事の中からベートーベンに関した記事をまとめたものである。ベートーベンの人に関してはもちろん、各曲についての解説もあり、仮住まいの現状で、いい音でそれなりの音量で該当のベートーベンの音楽を聞けないことが目下の悩みである。