3」入居者は確保できるのか その一

物事には必ず表と裏がある。
いいことと悪いことがある。
頭ではわかっているけれど、
なかなかその時に全てに思いを巡らすことが出来ないのもまた、世の常である。
成功するかしないかは、今後起こりうる全てのことについて、いかに事前に知り、対策を練ることができるか、ということに尽きる。
もちろんそれでも想定外のことは起こるし、
対応の不可能なものでてきて、都度解決しなければならないもののあるのだが。
まあ、確実な成功の道がないのも、また、真実でもある。
だから人生は楽しいのだ。
なんて、ね。
さて、よけいな講釈はいいから話を進めよう。

良いこともあるがそれ以上に悪いこともある。

・お金はどうするの
・本当に入居者が確保できるの(特に長期にわたって)
・将来家賃が安くなってはダメよ

まずは入居者の確保について考えてみよう。
問題点の要点は以下の通りである。

問題点1:場所
私の住んでいるところ(建築場所)は八王子駅からバスで30分くらい乗ったところにある。
まずは駅近ではないところが問題である。
私が生まれた頃は、周りは田園風景が広がり、バス停ふたつ先まで家が一軒もなかったという。近年は田畑が減りおそらく土地の7割ほどが宅地という感じだ。住宅地となったとはいえ駅から遠いのはとっても不利である。

問題点2:持家派
この付近は戸建ての住宅販売が盛んである。およそ二千万円前後、ローンは頭金なしボーナス払いなしで六万円前後。さて、そんなところに建てても賃貸に入居する人がいるだろうか。

問題点3:空室
周りにはそこそこ賃貸住宅がある。マンションはほとんどなく軽量鉄骨あるいは木造住宅だ。そして空室は多い。昨年10月末にSUUMOなどで調査したところ、1K~2DKで我が町全体で34室くらい空いている。

問題点4:人口減
そもそも、これから人口が減っていく。日本全体で見てもそうだし、八王子の人口も減っていく。そんな中、住宅需要も減っていくと普通は考える。

2」なぜ賃貸住宅なの

さて、まずは賃貸住宅を建てようと思ったきっかけについて話していきましょう。
約30年ほど勤めたサラリーマンを辞め、母の介護と農作業を少々してこの数年過ごしてきました。父は17年ほど前に、また母が昨年他界し、子供たち二人も独立し、遂に夫婦二人となりました。さあこれから二人で新婚に戻って楽しい時間を、と考えたのだけれど、家や敷地の管理で毎日が手一杯。二人で住むには自宅も敷地も広すぎる、さてどうしたものか。寄る年波で年々滅び始めている肉体(心はとても若いのだけれど)と向き合っていると、何かやるなら、いかに早く始めるかだなぁ、と数年前から日々自分に問いかけ、考え続けてきました。
やはりこれしかないか、と思いついたのが、自宅兼賃貸住宅。
これなら、

・私たちがいなくなっても私たちの部屋は人に貸せば良い。
・子供たちが戻って来たかったら、いずれかの部屋に住めば良い。
・家賃収入から固定資産税や敷地の管理費用を捻出できる。
・子供たちの重荷にならずに将来にわたって自宅土地を残すことができる。

など、メリットがある。
そう、いいことがたくさんあるのだ。
でも、
悪いことはもっとたくさんある。
人によってはリスクの方が多いのでは、という人もいる。
それは、

・お金はどうするの。
・この場所で本当に入居者が確保できるの(特に長期にわたって)。
・将来家賃が安くなってはダメよ。

そう、実はこれをどうするかがとっても大切なことなのです。

1」はじめまして

「すてきな賃貸住宅を建てようプロジェクト」のプロジェクトリーダーのよっちゃんです。プロジェクト名は「Mirkhy(ミルキー)」。私が勝手に名付けました。このHPは新しい考えに基づいた賃貸住宅を企画・建築していく、そして、その過程を公開していきながら、広く皆様からいろいろなご意見をいただき、住む人にとって、より良い賃貸住宅になるように参考にさせていただければと思って開設しました。もちろん、こちらを読んでいただいた方の中で、一人でも多くの人がこの建物を気に入っていただいて、住んでみたいと思っていただければと思っています。
よろしくお願いします。