12」資金調達 その2

選んだのは地元に支店のある19の金融機関
多様な金融機関がある。
◯電話で終わったケース
「今は不動産融資を控えている」、あるいは、折り返し電話する、と伝えられてそれっきり、というところ。まずは電話口で断られたケース。推測するに、悪いことをしてて金融庁の目が光り、融資できないのであろう。ニュースになっているところもあり、どことは言わないけれど、悪いことはしてはいけない。こちらもいくら融資してくれると言われてもそういうところとはお付き合いしたくないのが本音である。
◯会いに行ったけれど、のケース。
まずは話を聞きましょう、とアポが取れ、訪問して面接して説明をしたけれど、「大手ハウスメーカーなら融資可能だけれど、個人では無理」と言われたケース。でも、大手ハウスメーカーだって当てにならない、某大手ハウスメーカーの壁未設置問題などの手抜き工事があったりして、てんで信用できない。まあ、担当や決裁者としては大手に介しつけておけば、「まさか」と言い訳できるからいいのだろうけれど。でも、会社の信用で貸すのではなく、内容を精査して検討してよ、それが銀行の使命では?と言いたいのだけれど、銀行員もサラリーマンだから、まあ無理ですね。

11」資金調達 その1

資金調達にかかった時間はおよそ三ヶ月。過ぎてしまえばあっという間であったが、実際のところはなかなか進まないというのが実感であった。30年間の会社員時代にいろいろなことを経験してきたので、久しぶりの営業活動にちょっとワクワクドキドキ。でも融資の営業はしたことないのでさてどうなることか。お金を借りられなければこの話は振り出しに戻ってしまうので、心に熱いものを持ちとっても気合いを入れて、でも、表向きはクールに冷静に。スーツ&ネクタイに身を固め、電話でアポが取れた金融機関を訪問。楽しい気持ちで訪問しよう。仕事は楽しく、ね。
地元金融機関のほとんどすべてを網羅するつもりでまずは電話アタック。アポが取れたところから、いざ訪問。
実は、今はタイミングがとっても悪い。「かぼちゃの馬車」に端を発した不動産融資の関係で金融機関のいろいろな闇の部分があぶり出され、各金融機関がこぞって融資に慎重になっている(と、言われている)。もちろん、金融庁からのお達しもある(ようだ)。個人に融資、となるとなおさらだ。こちとら「いちげんさん」なので、何処の馬の骨ともわからないお取引実績の無い人に、果たしてお金を貸すところがあるのだろうか。そう思う気持ちの中で、一方では、「いや、必ずわかってくれる人がいる、わかってくれるところがある」、と自分の心に強く言い聞かせている。
大丈夫。まずは行動しよう、動かなければ可能性はないのだから。

10」先だつ、何か

アトリエボーヌの丸山設計士と打ち合わせを進めた。提案いただいたのはとても素敵なコンセプトの建物と中庭。可愛い模型も制作してもらった。いい、本当にいい。住みたいな、こんな家。概要の打ち合わせを進めたけれども、これ以上詳細を詰めるには、予算を決める必要がある。そのためには、金融機関への融資の打診が必要、との結論に至った。そう、私は大金持ちではないので、ポン!、これ使って!、と大金を現金で出せるわけではない。
さあ、資金調達を開始しよう。

9」苦難の日は続くが

閑話休題。知り合いの不動産屋に計画を話して見た。この場所ではやめたほうがいいという。先に挙げた問題点が当たり前のようにあるからだ。まあ、町の普通の不動産管理会社ならそう考えるであろう。特に不動産を事業でなく投資と考えているならなおさらである。
いくつか不動産屋を回っている中で、私の企画内容を理解してくれる不動産屋があった。その不動産屋の社長曰く。
車を運転していると外観に特徴ある賃貸住宅を見つけることがある。これは気になる、と思いその賃貸住宅を調べてみると、大概、満室経営なのである。他と差別化してる、特徴があるということは、ニッチだということである。実はニッチということはそれだけで売りとしての強い特徴があり、ニッチには潜在的なニーズがあり、そのニーズのある人たちに情報をきちんと届ければ必ず人を集める事が出来るという。だから、そういう攻め方は、正しい、というのである。もちろん募集には工夫が必要である。
一人、一社でも賛同してくれるところがある。私の考えは間違っていない、そう思った。だから、やる価値はあると思っている。何事も、他との差別化、はとても大切なキーワードである。

8.5」嬉しい知らせ

本日午前携帯電話が鳴った。融資をお願いしていた金融機関の支店長からであった。融資の実行が決まったと言う。早速、午後詳細を伺いに行った。一部条件がついたものの、私の希望に沿った融資金額となっていた。
こちらの金融機関の支店長は、今回の企画をとても気に入っていただいて、自分のことのように私の夢の内容を理解し、一緒に考え、問題点を指摘し、こちらの立場に立った提案を考えていただき、本部と掛け合い、その結果、今回の融資の実行に至ったのである。仕事とはいえ感謝しても仕切れない思いである。
2月下旬に相談してからおよそ3ヶ月が経っていた。 私の夢を叶えるために長い時間たくさんの努力をしていただいた。この出会いも必然の結果であろう。ありがとうございます。これで本プロジェクトのメンバーに、また一人加わっていただくことができました。これでやっと本来のスタート地点に立ち、これから気を引き締めて、さらに一層力強くプロジェクトを前に進めていこうと思います。
ご期待ください。

8」必然の出会い

ふと目に留まったのが「アトリエ ボーヌ」
そう、偶然にも新しい出会いであった。私の友人に言わせると、世の中に偶然の出会いというのははなく、全ては必然、今までの自分の人生の歩いて来た結果として出会うべくして出会った、ということらしい。
言われてみて初めて自分でよく考えてみると、そういう事なんだろうな、と、思った。
思い続け、探し求め続け、時間が経ち、ある時、いきなり訪れ、それが結果として大切な出会いとなる。それは偶然とは言わず、全体の流れの中で出会うべくして出会う必然という結果なのだ。世の中には実は偶然なんて存在しないのだ。
しかし・・・。

7」運命の出会い

具体的にどんな、という家を指すわけではない。ただ、そういう「女性に好まれる住宅」という方向は間違っていないのでは、と思ったのである。
そんな思いを持ちながら、情報誌、展示会、WEB検索などで、見ていて、ふと目に留まったのが
「アトリエ ボーヌ・丸山保博建築研究所」
である。
広告の写真を見た途端「ピーーーン!」ときた。これだ、と思った。ホームページを隅から隅まで見る。コンセプト、建築例、写真、ブログ・・・。うんうん、すてきな建物、そして素敵なコンセプト。絶対これなら女性が気にいる、何よりカミさんが気に入ってくれ、そして私も是非にも住んで見たい、と思う。こんな賃貸住宅を設計している人がいるんだ、と、いたく感動した。まるで夢のようである。モヤモヤしたものが一気に形になっていく瞬間であった。
早速資料を取り寄せ、セミナーを申し込む。当日はマンツーマンで、高円寺界隈の数件の建物を見せてもらいセミナールームで説明を受け、その内容に納得した。今までハウスメーカーに頼っていた私にとって、全てを一から始めるのは初めてである。絶対に成功させるためには、最初のパートナー選びはとても大切である。素晴らしい建物を設計するのはもちろんであるが、今回は自宅ではないので、賃貸住宅の経験があり、その建築ノウハウをどのくらい理解しているかも大切な部分である。丸山氏は目指す設計を是非とも賃貸住宅で実現したい、との思いを強く持っている。私にとってとても大事なポイントである。賃貸住宅の設計には持ち家とは違った感性が必要だと考えている私にとって、一緒にやっていくパートナーとしてぴったりである、と思った。
まずは、アトリエ ボーヌのホームページを是非ゆっくり眺めてほしい。

6」魅力あるすてきな住宅

 誰もが住んでみたいと思われるような魅力ある住宅とはどんなものだろう。とても抽象的でずっと頭を悩ませてきた。そして、得られた結論は・・・。
 私の経験と、他の人の話から総合して至った結論は、「女性が好む住宅」というのが一番の基本ではないか、である。
 過去に私は三度引越しをした経験がある。借りるアパートの部屋を最終的にここでいいと決めるのは、誰あろう、愛する妻なのである。
 私がここでいい、と言っても、妻がここは嫌、というと決まらない。妻の感性はとても繊細で私の気づかない細かいところまでよく住宅を見ている。そりゃそうだ。家庭内の動線をチェックできるのは、家庭の主人である妻である。共稼ぎだとしても、家庭ではやはり女性がリーダーシップを取る場合が多い。だから、家事の動線だとか、部屋の間取りとか、買い物の立地とか、通学通勤とか、いろいろな面でチェックが行き届くのは妻である女性だ。男は、だいたい、「君がここでいいならいいよ」、と言ってしまい住まいにあまりこだわりがない。それがまた喧嘩の基になったりするのだが。
 不動産屋さんにも聞いたところ、女性に好まれる賃貸住宅であれば、男性も同じように気に入って入居するようである。実際の所、女性をターゲットに建物の内外装を設計して募集した所、半分以上が結果的に男性が入居したという話も聞いた。そう、住居に関しては、女性目線が大切でなのである。

5」じゃあどうしよう

この場所に賃貸住宅を建築するためには確かに問題点が多い。普通の、というか保守的な不動産屋さんに聞けば、間違いなくやめたほうがいいというだろう。そして、銀行も。

こういう問題点はずっと頭を駆け巡っていた。そして出て来た結論は・・・。そう、考え方を変えればいいのである。

問題点2(持ち家派)については比較的簡単である。住宅を購入する人たちをターゲットにしなければ良いのだ。すなわち、独身の男女、新婚さん、子供の小さい夫婦、子供が独立した夫婦、老夫婦、おひとりのお年寄り、などなど。私の友人に生涯家を買わないと宣言している人がいる。そういう人もターゲットに入るだろう。(持ち家が良いか、賃貸が良いか、どちらがいいかは人それぞれ考え方次第)(永遠に結論は出ない)

問題点1(場所)、3(空室)、4(人口減)についての解決方法は一つしかない。他の賃貸住宅としっかり差別化を図ることである。それは、住む人にとって、どの住宅よりも、住みたい、住んでみたい、住み続けたい、と思われるような住宅を建設し、その魅力をずっと維持していくことである。これって本来、住まいとしては、賃貸に限らずとても大切なことである、と私は思っている。

街を歩いているととても残念な家に出会う。とてもすてきな家なのだけれど、庭や周辺に草が伸び放題に生えていたり、植木の手入れが行き届いていなかったり。あるいは外壁が汚れていたり・・・。購入したのはいいけれど、そのまま何もしていない。そう、結構、住宅を維持していくのは手間もお金も必要なのです。庭があれば草が生えてくる。壁や屋根は風雨にさらされ、汚れ、劣化し、最悪ヒビが入る。メンテナンスしないと次第に雨が染み込み、内部から腐食し、場合によってはシロアリに食い荒らされ、無残な姿へと知らぬ間に変貌してしまう。

賃貸住宅はこれらを大家が責任を持って行うので、無精者にはとても楽な住いではないか、と私は思う。(でも、家の中や周りをゴミ屋敷にしてしまう人は賃貸ではお断りですけれど)

4」入居者は確保できるのか その二

それぞれの問題点についてもう少し詳しく考えてみたい。

問題点1:場所
場所についてはなんともできない。その地域ごと東京都心部に引っ越せればいいがそうもいくまい。友人からは、都心部の土地と交換したり、そことの共同担保に活用する方法もあり、そうすればリスクが少なくなる、という提案もあった。
しかしこの場所は私の生まれ育った所。父から受け継いだ土地で私で四代目。儲けることだけを考えるのならそれでも良いのだが、もともとの発端はこの土地を残すために、という考えから始まっているので、何よりこの場所が役に立つ方法を考え出さねばならない。

問題点2:持家派
そう、お家を買おうとしている人は今回はターゲットにはならない。独身、晩婚化、少子化している現在は、むしろ買う人の方が少ない気がしているのは私だけだろうか。事実、私の友人の中には家を買うつもりはない、という人は少なからずいる。世の中でも家を買うべきか賃貸で済ますべきか、双方メリットデメリットがあり人それぞれであり、結論は出ていない。

問題点3:空室
賃貸の空室が多い、という点。これは場所に限らず空室はできる。問題はこれらの物件と同じ土俵で戦ってはいけないということだ。これらの物件は同じ土俵で戦っているが故に、新築のうちは家賃も入居率も高いが、古くなるにつれて家賃を下げないと入居率が下がってくる。仕方がないから取り壊して借金して最新の建物に建て替える、という循環をくり返す。せっかく借金がなくなったというのに・・・。

問題点4:人口減
人口減少は日本全国の問題だ。それでも東京近郊は今後も人が流れ込んでくるので地方ほどの急激な減少はない。それでも今より減少する、と言われている。我が家周辺は某大手ハウスメーカーが相続対策として収支をあまり考えずに建てている物件が多い。そう、借金することが目的だから始末におえない。そういう所と戦わなければならないのだからなおさらしっかり考える必要がある。
しかし、
いつの時代も、衣食住は人にとって必須だ。絶対に無くならない。
と思うのだけれど、
でも、ね。